2007年03月30日
活性酸素が動脈硬化を引き起こす
昭和56年(1981)、それまで長い間日本人の死亡原因のトップだった「脳卒中」に代わって「がん」が第1位となりました。
第2位が「心臓病」で、第3位が「脳卒中」となっていますが、「心臓病」も「脳卒中」も動脈硬化がそのおもな原因です。ですから実質的な死因の第1位は「動脈硬化」ということができます。
そして最近になって、この心疾患や脳疾患の元凶である動脈硬化に活性酸素が深くかかわっていることがわかってきたのです。
「動脈硬化」というのは血管の壁が厚くなって硬くなり、動脈の内腔を狭くする症状です。この過程で、コレステロールが深くかかわっています。このコレステロールには2つの種類があります。LDLと呼ばれる「悪玉コレステロール」とHDLと呼ばれる「善玉コレステロール」の2つです。
最近の研究で、本当に悪いのはこの悪玉コレステロール(LDL)ではなく、活性酸素により生じた変性LDLが本当の悪玉だったということがわかりました。つまり、活性酸素がLDLを酸化して,性質の違う変性LDL(本当の悪玉)にしたのです。この変性LDLが問題となって,動脈硬化が引き起こされるというわけです。
投稿者 yoshio753 : 11:13
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2007年03月31日
コレステロールそのものが動脈硬化の原因ではない
本来、血液中のLDLは「LDL受容体」により細胞内に取り込まれ、細胞を構成する成分となったり、エネルギーとして使われます。
ところが、血液中にLDLが増えると、LDL受容体がそれを細胞内に収容しきれなくなります。すると、余分なLDLは血管のいちばん内側の内皮細胞のすき間から内膜に入りこみます。このLDLが活性酸素によって酸化され、「変性LDL」となります。この変成LDLが問題を引き起こすのです。
「変性LDL」になると、各組織の細胞で構成成分になったり、エネルギーに変換されることができなくなります。そして、生体にとって異物となったこの変性LDLを、マクロファージが自分自身の中にどんどん取り込んでいきます。これをすべて処理できれば問題ありませんが、この取り込みには制限がないので、変性LDLは、どんどんたまっていきます。
すると、マクロファージ自身が変性化して、脂肪(過酸化脂質)でギラギラして膨れ上がった泡沫細胞となります。そして、やがてパンパンに腫れ上がり、血管の内膜を持ち上げます。その結果,血管が押されて狭くなり,血流が悪くなります。
このようにして泡沫細胞は増え続け、やがてパンクしてしまいます。すると内膜との間はコレステロールや泡沫細胞の死骸でドロドロの状態になります。この状態になると,血管の壁はもろくなり,血管そのものも弾力性がなくなってしまいます。これが心筋梗塞や脳卒中のもととなる「アテローム動脈硬化」といわれるものです。
投稿者 yoshio753 : 11:14
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2007年04月01日
アテローム性動脈硬化が進むと高血圧に
まだ活性酸素の悪影響はあります。アテロームの付着によって血管が狭くなるアテローム性の動脈硬化が進むと、より多くの血液を送るために心臓は血液の流れのスピードを上げます。
血液の壁はそのスピードに耐えようとして厚くなります。これが動脈硬化を進行させるもう一つのプロセスです。
こうした動脈硬化の進行はすべて活性酸素が引き金になったものです。悪者扱いされることの多いコレステロールですが,コレステロールもいわば、活性酸素の被害者と言えるでしょう。
過食、飽食が一般化するとともにアテローム性の血管障害が増えています。それを予防するためにコレステロールの少ない食生活をしようなどとさかんに提案されていますが、それだけでは血管の病気は予防できません。非行予備軍であるコレステロールを減らしても、コレステロールを悪の進に誘おうと策謀する悪役、活性酸素を野放しにしていたのでは何の意味もないからです。
そこで重要なのは、発想をもう一歩進め、活性酸素を退治する方法を考えることです。たとえば、コレステロールの少ない食生活を営むとともに、活性酸素を退治するような食生活も考えることです。これなら、怖い心筋梗塞や脳梗塞に結びつく血管の病気を防ぐことができるでしょう。
投稿者 yoshio753 : 07:14
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2007年04月02日
活性酸素とガン発生のメカニズム
すべてのがんは、DNAが損傷した1個の細胞から発症します。これが無制限に細胞分裂を繰り返して、やがて組織や器官ががんとなります。
しかし、組織や器官はすぐにはがんになりません。DNAの損傷からいろいろな過程を経て、長い年月を費やしてがんとなるのです。DNAが損傷してもすぐにはがんとならないのは、私たちの細胞には、細胞のがん化を抑える「がん抑制遺伝子」と遺伝子の傷を治す「DNA修復遺伝子」が存在するからです。
遺伝子に傷がついた細胞はがん細胞になりますが、がん抑制遺伝子には細胞が無限に分裂・増殖するのを防ぐ働き、そして遺伝子に誤った情報を持った細胞を死滅させる働きがあります。また,DNA修復遺伝子は、遺伝子の傷ついた箇所をもとどおりに修復する働きがあります。
しかし,何らかの原因でこの修復がうまくいかなくなることがあります。生き残ったガン細胞は少しずつ増殖を始めます。増殖のスピードは最初はゆっくりです。1個のガン細胞が発生してから,6~20年かけてガン細胞は少しずつ増えていきますが,それでも,全体の大きさは直径1センチ程度です
直径1センチのガンといえば、ふつうなら、いわゆる早期ガンに相当しますが,実はそれまでには20年近くの長いプロセスを経ているのです。
ですから,あるガン患者が40歳で発病したとするなら、彼のガン原細胞は20歳のときに突然変異をスタートさせ、その20年後にガンとして発病したというわけです。
投稿者 yoshio753 : 07:14
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2007年04月03日
活性酸素は最もありふれた発ガン因子
ガンが発生するきっかけがDNAの損傷だということは前章で述べました。
では,どのようして活性酸素がDNAに損傷を与えるのでしょうか。
活性酸素がコレステロールに働きかけて,動脈硬化を引き起こすことはすでに述べましたが,それだけではありません。食べ物の中に含まれるコレステロールは,活性酸素と出会うことによってきわめてラジカルな過酸化脂質に変質します。
この過酸化脂質は、からだを構成する細胞を攻撃しますが,この時,私達のDNAにも攻撃をしかけてきます。その結果,DNAが損傷を受けてしまうのです。DNAに損傷を受けた細胞はがん細胞となって増殖を始めます。
また,活性酸素は我々の免疫システムの中でも使われていますが,これがDNAの損傷を引き起こす原因となります。
例えば,肺に、煙草の成分の一部であるタールが入り込むと、それをからだに害をなす異物と認識し「からだ防衛隊」が出動します。具体的には肺胞に常駐している食胞マクロファージが異物退治の仕事をはじめます。活性酸素の一種であるスーパーオキサイドを放出し、酸化というその毒性を利用して肺の中に入り込んだ異物を殺そうとします。
異物だけを殺すのなら問題はないのですが、困るのは、力あまって“周辺の正常かつ健康な細胞”にも損傷を与えることです。その結果、肺胞に分布しているDNAにも損傷を与え肺ガンを発病させてしまいます。少なくとも、肺ガンヘと至るであろう発ガンの歩みをスタートさせてしまいます。これが怖いのです。
もちろん人間のからだは、殺傷の働きが強い危険なスーパーオキサイドを放置しません。それを無害化しようとします。その無害化の過程でもう一つの活性酸素である過酸化水素が生まれ、その過酸化水素を無害化する次の過程に狂いが生じると、やはり活性酸素の一種であるヒドロキシルラジカルが生まれてしまいます。
本来はからだに害をなす異物を排除しようとして働いた免疫反応が、活性酸素によるDNAの損傷をもたらす結果になってしまうのです。
これは、肺だけではなく、全身のあらゆる細胞、組織、器官で起こり得ることです。その意味で活性酸素は、最もありふれた、つまり、最も頻繁にDNAに危険ないたずらを仕掛ける「ガン発生因子」なのです。
投稿者 yoshio753 : 07:14
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2007年04月04日
活性酸素が糖尿病を引き起こす
一般に糖尿病は食べ過ぎが原因だと言われています。食べ過ぎだと,血糖量を減らすホルモンであるインスリンの負担が増え,糖尿病の発病へとつながります。
もちろん,食べ過ぎという「外因」に対しては活性酸素は何の責任もありません。しかし、遺伝的な欠陥という「内因」には活性酸素が深くかかわっています。
インスリンはタンパク質でできているホルモンです。アミノ酸が51個つながっているタンパクホルモンです。複雑で高度な有機化合物といえるでしょう。こうした複雑で高度な有機化合物が間違いなく合成されるのは、遺伝子が正常に働いているからです。正常に働かなくなると、不完全なインスリンができあがります。
ガン発生のメカニズムのところで説明したように活性酸素は遺伝情報をプールしているDNAに酸化という攻撃をしかけ、DNAの構成をズタズタにしてしまうことでその情報を狂わせます。DNAの情報が狂えば、その指示を受けて新しい細胞を合成するシステムにも狂いが生じ、突然変異としてガン細胞を発生させます。
これと同じことがインスリンの合成の分野にも起こります。活性酸素の攻撃によって狂いの生じたDNAは正常なインスリン生産が指示できなくなり、不完全なインスリンを生産します。
不完全なのですから、ブドウ糖をエネルギーやグリコーゲンに転換するというその働きも鈍くなります。人間のからだはエネルギーなしには活動できませんから、からだの活動力が低下してさまざまな弊害が生まれます。また、血液中のブドウ糖の量が増え、これまた、合併症というさまざまな弊害を生みます。
活性酸素によるDNAへの攻撃がなければこうした不完全なインスリンの生産もないわけですから、たとえ多少の食べ過ぎがあっても糖尿病を発病させないですみます。
今、全国には300万人から500万人の糖尿病患者がいるといわれ、その多くが食べ過ぎが主な原因となって発病した「H型」の糖尿病患者です。それだけに、もし活性酸素の害毒を軽くする方法を成功させれば、わが国の糖尿病患者の数はもっと少なくなるでしょう。
投稿者 yoshio753 : 07:14
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2007年04月05日
活性酸素と通風の関係
風に当たっただけで痛みがひどくなる、あるいは、その発作を起こしているときは寝ている枕元を人が通ったときの振動だけで痛みがひどくなるというのが痛風の症状です。人間に耐え難い痛みを与える病気の代表のようにいわれています。
この痛風は、血液中の尿酸値が高くなり足の親指の付け根(第二関節)に起こる病気です。尿酸値が高くなるということは、血液中に尿酸塩が増えるということです。血液中の尿酸にナトリウムが結びついてできた尿酸塩が増えると、足の親指の付け根にあの耐え難い痛みが発生します。
活性酸素は、この痛風の痛みをさらにひどくします。というのは尿酸塩はからだの防衛機構によって有害な異物と認識されるからです。認識されると「からだ防衛隊」が出動して尿酸塩を退治しようとします。
すでに何度も説明しているように活性酸素は、この「からだ防衛隊」の切り込み隊長が用いる強力な武器です。尿酸塩にさかんに活性酸素が浴びせられ、尿酸塩を絶滅しようとします。
それによって痛風の症状が良くなるのですからありかたいようなものですが、残念なことに、ここでも活性酸素の「やり過ぎ」が起こります。力あまって、尿酸塩だけではなく周囲の健康な細胞まで攻撃するのです。その結果、周囲の細胞には炎症が生まれます。これが新たな痛みの原因になります。
たしかに痛風の痛みは耐え難いもの。医師は、鎮痛消炎剤によってその痛みをいくらかでも軽減するように努めますが、これからは活性酸素の害毒を軽くするような食生活なども、その治療法の1つとして考えられるべきでしょう。
投稿者 yoshio753 : 07:14
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2007年04月06日
活性酸素が関節の痛みを倍増させる
リウマチ性の病気にもいろいろとありますが、その中に「リウマチ性関節炎」という病気があります。これは、関節に炎症が起こる病気ですが、その原因ははっきりとわかっていません。
この病気は、体にとっての外敵である細菌やウイルスを抑える免疫の機能が異常に反応して、自分の細胞を敵とみなして自分で自分に攻撃をしかけてしまうという「自己免疫疾患」と呼ばれる病気の一つです。
正常であれば免疫反応を起こさないような抗原(自分の細胞)に対して、免疫をつかさどる細胞が抗体を勝手に作って、自分の細胞をどんどん攻撃するのです。これは、免疫システムに何らかの狂いが生じたために、そのような異常反応が起こるのです。このように自らを攻撃してしまうことを「自己免疫(反応)」といいます。
高齢になると,このような自己免疫は増してくると考えられています。これは、免疫システムでの外敵と自己を識別する力が衰えてくることを意味します。
リウマチ関節炎になった人の関節には、白血球の一種である好中球が多く見られます。これは、炎症が起こると好中球が駆けつけて患部に活性酸素をまき散らします。そうすると炎症はますます悪化し,痛みも増え,関節が曲がらなくなります。
関節には、関節を円滑に動かすため「滑液」という潤滑液がありますが、関節を包む骨教護から分泌される滑液には、活性酸素を消去する抗酸化物質やガラクターゼなどの抗酸化酵素が十分に含まれていません。これが、活性酸素の被害をさらに広げます。つまり、関節での炎症が起こると、活性酸素を消去する方法がないのです。
また,リウマチ関節炎にかかった人の骨液や血液には細胞を攻撃する過酸化脂質が増えており、活性酸素を除去するビタミンCの量が通常より減っていることがわかっています。
このように,関節での炎症は活性酸素をますます増加させてしまうのです。
投稿者 yoshio753 : 07:14
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2007年04月07日
活性酸素と白内障
この白内障とは眼の老化現象です。カメラや望遠鏡のレンズが汚れていれば,景色はよく見えなかったり,ピントがボケたりしますね。眼の水晶体も同じように曇ったり濁ったりします。これが白内障です。
年をとってくると,水晶体を構成しているタンパク質が変質し,一部に濁りが生じてきます。この濁りが進むにつれて,眼がかすんだり,視力が下がったりしてきます。このプロセスにも活性酸素が深く関わっているのです。
それは,紫外線の影響によるものです。太陽光線の中の紫外線は、とてもラジカルな光線です。さまざまな物質に働きかけて、その物質の化学変化を促進します。たとえば人間の皮膚を構成する細胞に働きかけ、その細胞核にあるDNAを変質させることで皮膚ガンを生み出します。
こうした紫外線の被害を受けやすいのはからだの表面に近い部分です。眼もからだの表面にあります。眼には水分があります。その水分に紫外線が当たると、水の分子に化学変化が起こり、活性酸素が発生します。紫外線という別の条件があるところでは水からも活性酸素ができるのです。
水からできたこの活性酸素が長時間にわたって眼の水晶体を構成するタンパク質を酸化させ、ついには白内障にしてしまうのです。
投稿者 yoshio753 : 07:14
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